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騙されてはいけない。近藤誠医師から学ぶ情報把握論

近藤誠

なんちゃって医療人の我が肺(@u_throw)です。

今日は読書感想文をふまえた警告記事を書こうと思います。

 

2017.11.6に近藤誠という医師が新書をだしました。

この本について賛否両論がものすごいこと。

 

その理由についてと、この記事を読んだ皆さんに伝えたいことをまとめます。

 

近藤誠とは何者?

この名前、聞いたことがある人も多いでしょう。

近藤 誠(こんどう まこと、1948年10月24日~)は、日本の医師で元・慶應義塾大学医学部専任講師であり、現在は近藤誠がん研究所の所長である。

癌の放射線治療の専門家で、癌の放射線治療、抗がん剤治療を一部否定している。癌の治療に対しては基本的には「放置」という方針も提案している。

Wikipediaより引用

 

この人は「がん」について独自の持論を持つ人です。

 

有名なのは「がんもどき」理論。

食べ物のガンモドキではなく、偽物のがんという意味合いです。

 

がん、いわゆる「悪性新生物」は近年、日本の死因ランキングで断トツ1位の恐ろしい病気です。

 

しかし医療の発展により徐々に「不治の病」というイメージから抜け出しつつあります。

 

「早期発見のおかげで完治した」

という声も増えてきたように感じます。

 

そんな中、近藤医師の持つ主張は「がんが見つかっても放置したほうが良い」というトンデモ理論。

 

内容は、

「転移する能力のあるがん細胞」と「転移する能力のないがん細胞」に全てのがんは分けられ、転移するものであればいくら早い段階で見つかったとしてもすでに転移は起きている。逆に転移しないものであれば(これをがんもどきと呼んでいる)ただのおできの様なものなので抗がん剤治療や手術は受けずにゆっくり様子を見るべき。よって患者さんはどっちにしても何も気にせずゆっくり経過を追うべき。

というもの。

がんもどき」については10年以上前から主張しており、すでに多くの医師が反論しているので詳しい内容はいくつか記事の紹介にしておきます。


参考
医者は勉強しないとただのヤブではなく毒になる中村ゆきつぐのブログ


参考
近藤医師はテレビに出ていたんですね〜新・眠らない医者の人生探求劇場

 

新書「ワクチン副作用の恐怖」

そんな近藤医師が今月新たに書籍を出版しました。

ワクチンは危ないよ!」という内容です。

アメリカなど国際的にはワクチンを打たないと幼稚園や小学校に入れなかったり、ビザの申請許可が降りなかったりするというのに。

 

インフルエンザワクチンについては、僕も先日書きました。


予防接種
インフルエンザワクチンは打つべきか

 

もちろんワクチンにも他の薬などと同じように副作用はあります。

しかしそれを上回るだけの効果があるとされているからこそ、国が認めているのですが…

 

昔から近藤医師は文章力に優れ、なおかつ医療的に正しいことと間違っていることを混在させているので専門家じゃない人たちは素直に受け入れてしまうんでしょうね。

 

 

医療にはエビデンスと曖昧さが大事

医療従事者からすると、医学的な根拠に欠けていることがわかりますし、そもそも近藤医師は感染予防となんの関係もない放射線医です。

 

医学的根拠(エビデンス)に基づいた情報のおすすめは、小児科医の(@io302)先生の反論ツイートです。

 

この記事は別に近藤医師を悪く言うために書いたつもりはありません。

医者がこう言っている」というだけで間違った治療法を選択し、悲惨な結果になる人を減らしたいと思ってまとめました。

間違っていることに気づかずに洗脳されてしまうことほど悲しいことはありません。

 

もちろん反対意見だけではなく、近藤医師を信じて疑わない方はいます。

Amazonのレビューもこれほど2極化することはまれでしょう。

 

なぜ近藤医師を信じている人がいるのか

これについて少し考えると、近藤医師の特徴として「〜は〇〇だ!」と言い切る強みがあると感じました。

この「断定すること」が患者さんの不安も取り除く。

なるほどなと思いました。

 

しかし待ってください!

なぜ他の医師たちは病気の進行やワクチンのことについて、断定せずにあやふやな回答をするのか?

 

それは「医療のほとんどはケースバイケース」だからです。

すべての人にこの治療があてはまる!

というものは存在しません。

 

一人ひとりに適した治療法などに意見をする医師たちは断定することなどできないのです。

 

この事実をみんなに知ってほしい。

もちろん「誰の言ったことを信じるか」は皆さんそれぞれの自由ですし、強要もしません。

 

まとめ:反対意見を知る癖をつける

もしあなたがこの記事を読まずに、反ワクチンの本を読んでいたら

「一般の医師は患者を実験台にしている!!」

「近藤先生が周りの医師からとやかく言われるのは、製薬会社と医師がつながっているからだ!!」

ともしかしたら言い出していたかもしれません。

 

読者のみなさんにはこの件だけでなく、ある1つの意見をみかけたらそれを鵜呑みにするまえに、それについての反対意見を知ることをあたりまえにしてほしい。

いくら書籍化していたって、いくらテレビで流れていたって、それが正しい情報と決まっているわけではありません。

誰が」「なんといっているか」「その発言に根拠はあるか

少しだけ気にするようにしてみましょ。

それだけで変な洗脳をうける危険性も少しは下がります。

 

 

っていう僕からの洗脳かもしれません(にこ)

 

 

この本は売れてほしくないけど、人をうまく引き込む文章は勉強になりますよっと。

 

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