これでも一応、医療従事者です。
インフルエンザワクチンについて、質問されました。
僕も注射嫌いです。
てか痛いの全部嫌いです。
注射嫌いのひとだけでなく「注射のたびに熱がでる」というひともいますよね。
予防接種はそこまでして受ける必要があるのか?
僕の考えをまとめます。
インフルエンザワクチンは効果がない?
ネット上でインフルエンザワクチン不要論を唱えるひとは多く、そもそも効果がないと言い切るひとも多いです。
この人たちがよく持ち出してくる資料に「前橋レポート」という調査結果があります。
このレポートは、1979年に群馬県の前橋市医師会がインフルエンザの副作用と効果に不信感をもったことをきっかけに接種をとりやめ、5年間にわたる研究結果をまとめたものです。
結果が発表された後、1990年代前半にインフルエンザ予防接種の集団接種が廃止されたきっかけになったともいわれています。
しかしこの研究は、ワクチンの効果を判断するには不十分なものでした。
本来ならインフルエンザにかかったかどうかの診断は「PCR法」という検査で
ウイルスのが存在するかを確認して正確に行うべきですが、当時はこの検査が存在しませんでした。
では当時はどのようにしてインフルエンザと診断したのか?
それは「37℃以上の発熱があって連続2日以上欠席した者、あるいは発熱は不明であるが連続3日以上欠席した者」です。
(これでインフルエンザと診断されるなら、高校時代の僕は毎週インフルエンザにかかっていることになります)
他にもインフルエンザワクチン反対派を否定するのであれば
- 「個人」ではなく「集団」予防接種の効果を調査している
- 調査の対象を結果が出やすそうな地区を選んで使っている
- そもそもこのレポートでは「予防接種の効果はある」という結果が出ている
などがあげられますし、この研究へのツッコミどころは他にも多々あります。
よって彼らがただ単に歪んだ捉え方をしているだけとも言えます。
実際は効果があるのか?
では予防接種は実際に効果があるのでしょうか?
インフルエンザワクチンに効果があり、接種を毎年うけるべきというのは厚生労働省やアメリカの疾病対策センターも言っています。
WHOも重症化をふせぐにはワクチン接種が一番と言ってます。
ワクチン接種は入院するリスクを減らすことができ、心臓病や糖尿病、肺の病気を持った人がインフルエンザになった時に重症化するのを防ぎます。
2014年のアメリカの研究では、2010〜2012年のインフルエンザシーズンに小児集中治療室に入院する危険性を74%減らしたことがわかりました。
このことからもワクチンに個人がインフルエンザにかかるリスクを下げることはわかります。
しかし、僕が強く訴えたいのは皆がしっかり予防接種をすることで集団感染を防げるということです。
確かに僕をふくめ若い活発な年代の人は、たとえインフルエンザにかかってしまっても何日間か寝込むだけですむでしょう。
しかし、お年寄りや乳幼児となるとそうはいきません。
後遺症や死亡するリスクがあがります。
そんな人たちがインフルエンザにかからないために、僕たちの予防接種が一役買っている。
この事実はよく考えればあたりまえですが、とても大切なことです。
僕らがウイルスに感染しなければ拡散力も弱まる。
自分のためだけでなく、人のためにも予防接種を。(いいこと言った)
副作用が危ない!
ワクチンをうっただけで病気にかかったり死んでしまう。
みんなが怖がる副作用(正確には副反応)はどれくらいあるのでしょうか?
厚生労働省によると、1年に約0〜3人がワクチン接種により死亡しているかもしれないと言われています。
ワクチンは1年間にだいたい5000万回摂取されているので、0.000005%の確率ですね。
重い病気にかかる可能性は少し増えて0.00007%です。
個人的な意見になりますがこれだけ低い確率に対してあーだこーだ言う人が苦手です。
もちろん自分や周りの大切な人たちがワクチンのせいで被害を受けたら嫌です。
でも仕方のないことだともいえます。
ゼロリスク症候群の人たちはなんでもかんでも「〜なことがあったらどうする」「〜なる可能性はゼロじゃない」とよくいいます。
リスクが全くないなんてあるわけないじゃないですか。
そんな人は飛行機や電車にも乗らないんだろうし、そもそも事故るかもしれないから家の外に出ないんでしょうね。
いや、家にいても隕石が降ってくる可能性もゼロじゃないですもんね。(アーメン)
まとめ:予防接種は受けよう
今年度(2017年)はワクチンが不足しているみたいです。
流行の時期を考えても11月中に受けておくのが望ましいと思います。
特にまわりにお年寄りや小さな子がいる人は特に!です。
早く痛くない注射器が開発されないかな…(ぼそぼそ)