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ゼロリスク症候群を卒業しよう

リスク

日本人はとにかくリスクを嫌います。

 

「もしも〜なことが起きたらどうする」

「絶対に〜なことは起きないって言える?」

 

なにか新しいことを提案するたびに強い不安を訴えるひとが多いです。

ちょっとでも心当たりのある方は今回の記事をきっかけにぜひ考えてみてください。

 

ゼロリスク症候群とは

ほんのわずかなリスクも許さない完璧主義者はゼロリスク症候群と呼ばれています。

もちろんリスクは低いに越したことはありません。

 

特に僕のような医療従事者はできるだけリスクを少なくする努力を常に行うべきです。

 

しかし残念なことに、どれだけ努力をしてもリスクがゼロになることはありません

出来る限りの安全対策をしようがリスクは残ります。

  • 患者さんを転ばせてしまうリスク
  • 昨晩作った残り物のカレーを食べて食中毒になるリスク
  • 道路を歩いていて車にひかれるリスク
  • うんちをしようといきんだときに脳の血管が破れるリスク
  • 急に隕石が降ってくるリスク

どれもその可能性をゼロにすることはできません。

もちろんリスクがゼロであってほしい気持ちはわかりますし理想を求める気持ちは大事ですが、ゼロではないリスクに囲まれて生きているという現実から目をそむけひたすら「ゼロリスク」を追い求めることは色々と問題があります。

 

リスクとコスト

もちろんリスクは減らすことができます。

しかしそのためにはそれなりのコストがかかってきます。

 

津波対策ですべての海岸に高さ20メートルの堤防を作ったり、隕石が怖いから建物を地下シェルターに移したりすることでリスクを減らすことはできますが、莫大なお金と時間がかかります。

 

しかし、これだけのコストをかけたとしても、30メートルの津波が来たり地球を壊滅させるほどの隕石が降ってくればひとたまりもありません。

 

このようにコストをかけることでリスクを減らすことはできる一方、やはりそれをゼロにすることはできないのです。

 

リスクとリターン

よくリスクに対して受ける恩恵や利益のことに「リターン」という言葉が使われますが、正式には「ベネフィット」といいます。

人は、このベネフィットがあるからこそリスクを取る。

 

例えば、短時間で海外に行けるから飛行機に乗ります。

墜落を怖がってアメリカまで船で行く人はいないでしょう。

 

医療でも同じく、薬を服用することで症状が良くなったりする反面、副作用が出る可能性もあります。

リスクが生じる可能性があったとしてもそれを上回るベネフィットがあるから人はモノやサービスを利用すると言えます。

 

例をあげて考える

実際に、ゼロリスク症候群がどれだけ無駄な心配か、例をあげて考えてみます。

 

米国産牛肉の悲劇

ゼロリスク症候群が社会的に顕著に表れた例として、BSEをめぐる議論が挙げられます。

BSEは、「牛海綿状脳症」という牛の病気で「異常プリオンたんぱく」の感染が原因と考えられています。

 

BSE感染牛の肉を食べることで人間にもこの病原体が感染する可能性があり、感染した場合、脳の異常をきたし死に至る「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病」を発症します。

 

BSE感染牛が多く発生したイギリスでは、1996年以降の約10年間で、200人近くが、この病気で死亡したと報告されています。

 

また、2003年には米国でBSE感染牛の発生が報告されると、日本政府は米国産牛肉の輸入を禁止しました。

しかし、BSE感染牛の肉が広く流通していた時代のイギリスで生活していたとしても、10年間でヤコブ病を発症する確率は、0.000003%程度です。

米国でのBSE感染牛の報告はイギリスに比べればわずかなものですし、感染のチェックや脳や脊髄などの危険部位の除去も行われていたため、米国産牛肉をいくら食べたとしてもヤコブ病を発症する確率は極めて低かったはずです。

多く見積もっても10年間で1億分の1程度

ゼロではないが、限りなくゼロに近いリスク」と言っていいと思います。

 

このわずかなリスクを回避するために、日本国民は米国産牛肉を自由に食べるというベネフィットを奪われてしまったわけです。

 

この議論では「異常プリオンたんぱく」が問題となったわけですが、僕たちの身の回りにはもっと高い確率で命を脅かす病原体がたくさんあります。

今日あなたが食べたその食品から病原体が身体に入り込む確率だって、1億分の1よりもはるかに高いはず。

そんなことを考えたらヤコブ病のリスクだけを考えて大騒ぎするのは、明らかにおかしいです。

 

身近な食品で言えばお正月に食べる「おもち」は、米国産牛肉よりもずっと危険です。

日本では毎年多くの人が、おもちをのどにつまらせて死亡しています。

年間100人程度が亡くなっているとすると、米国産牛の約1000倍は致死率が高いことに。

 

米国産牛肉を輸入禁止にするくらいならおもちを食べるのを禁止する方がよっぽど多くの命を救えるのですが、どうして政府は米国産牛肉だけ禁止して、おもちを禁止にはしなかったのでしょうか?(おもちより肉のほうがうまいのに)

 

その他の過度な心配

ヤコブ病の他にも、みなさんが過度に心配している項目の確率を調べてみました。

2015年の「週刊ポスト」による、各事故で死ぬ確率は、

航空事故  0.0000097%

交通事故  0.0032%

豚の生レバー  0.00071%

ふぐ  0.000033%

風呂で溺死  0.0031%

階段などで転倒  0.0021

落雷  0.000011%

大雪  0.000074%

ヒグマ  0.00000094%

ハチ  0.0015%

火山噴火  0.0000028%

地震  0.001%

津波  0.00016%

熱中症  0.0014%

海  0.00028%

山  0.00024%

他殺  0.0027%

自殺  0.0219%

 

自殺しなきゃ大丈夫そう…

 

ちなみに航空事故に遭遇する確率は、毎日飛行機に1往復乗った場合、557年に一度

飛行機怖くて乗れない人に教えてあげてください…

 

まとめ:リスクを天秤にかけ、時にはリスクの受け入れを

ここまで「リスク」「コスト」「ベネフィット」について説明しました。

この3つのバランスを検討し、妥当なところでリスクを受け入れていくことが今後の日本の発展につながると思います。

思考停止した状態で「ゼロリスク」を求めるのではなく「どのようにすればリスクが減るか」を考える習慣をつけ、人生を有意義にしてくれるモノやサービスを利用していきましょう。

 

てことで生レバーと牛ユッケを解禁しておくれ。日本政府さん。

4 COMMENTS

和哉

まぁ、おもちの下りは屁理屈でしょうね。。。
おもちは本人の注意次第で防げますが他は防げないって事でしょう?
そんな子供みたいな理屈を言い出すと他の全ての言葉も意味を失うのでやめたほうがいいかと。

返信する
我が肺

屁理屈の定義がよくわかりませんが、例にあげた項目はおもちも含め死者の数を提示しているので、死亡率を考える上では適切かと。
ちなみに、おもち以外も本人の注意次第で防げますよ。

返信する
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あんまり死ぬのを怖がってたら死ぬ前に生きる力を失っちまいますよね No death, no lifeってことで

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